ジョジョ3大兄貴と言えば、刑兆、プロシュート、そして…エルメェス!!!
エルメェスは6部のキャラで、絶大な人気を誇っていますよね。みんな大好きエルメェス兄貴。
そんなエルメェスの代名詞とも言えるのが、復讐についてのセリフ。ここにエルメェスのかっこよさが表れていると思います。
今回は、エルメェスの「復讐論」の紹介と私なりの解釈をお話ししていきますね。
「復讐なんて時間の無駄」
— Joylin (@Jolyne40536) 2019年10月11日
「そんなことしても喜ばない」
「もっと自分の人生を生きよう」
とか、そんなことは承知の上で、それでも許せないから復讐するんじゃあないかな
「復讐なんて…」というひとは、エルメェス兄貴のこの言葉にどんな言葉をかけられるんだろうといつも思う pic.twitter.com/OK5Oh1YqYG
「復讐とは自分の運命にケジメをつけるためにあるッ!」
エルメェスは、殺された姉グロリアの復讐をするために自ら刑務所に入ってきます。惨たらしくグロリアを貶めた犯人を必ず見つけてやる、と。
そしてついに犯人と対峙…。呼び止めようとする徐倫に、エルメェスはこのように話始めます。
犯人を倒してもグロリアは帰ってこない。エルメェス のしたことをグロリアが知ったら、喜びはしないし悲しむだろう。復讐をすることで犯人と同じことをしたことになってしまう。エルメェス 自身も罪を背負うことになる。
そういうことを一切覚悟してきてるんですよ、エルメェスは。
これから先ずっと悲しみと怒りを抱えて生きていくなんてまっぴらだ、そのための罪を背負う覚悟はしているのだと。
復讐は自分の運命へのケジメ。エルメェスのその言葉に、徐倫はもう引き留めることはしません。そして仇に何度も何度も拳を叩き込むエルメェス。
全てが終わった頃、エルメェスの目から涙が溢れて…。
心優しいエルメェスが、復讐を選ぶまでに一体どれだけ苦悩して自問自答してきたことか。その上で覚悟をしたら迷わない強さ。彼女の心の内を思うと、安易な言葉は失礼だと思います。
そして終えた後の涙とあのセリフ…。
先程までの鬼気迫る表情から一変、等身大のエルメェスに戻った姿に心が締めつけられます。
あの涙は、決して復讐への後悔などではないでしょう。
憎悪の果ての安堵、虚無、自らの罪への自覚、孤独、言い尽くせぬ悲しみ…そういうものが溢れ出てきたんじゃあないかと思います。
エルメェスのエピソードで一番好きな回です。
復讐を止めるのは本当に正義か?
ここからは、私なりの解釈をお話ししていきます。
あるある展開ですが、復讐に心を燃やす人間に対して、主人公が熱い言葉で止めるシーンがありますよね。
「そんなことをしても、あの子は喜ばない!」
「復讐なんて考えずに幸せに生きることが、自分とあの子のためになる」
「憎しみの連鎖は止めなきゃいけないんだ!」
ってな感じで。
私は個人的にはこういうセリフは大嫌いです。復讐を止める側の言葉を、頭では理解できても全然納得できないし、こういう言葉を放つ気持ちに共感できない。
自分にとって本当に大切なものを踏みつけられて、こういうことを言われても、その怒りと悲しみの行き場がないじゃあないですか。「復讐なんてやめろ」って他人から言うのは、「一生怒りと悲しみを抱えておけ」ってのと同じだと私は思います。
自分が復讐者の場合でも、復讐しようとしてる人を目の当たりにした場合も、こういうセリフは全く心に届かないんじゃあないかな。
「許してやれ」「自分のために忘れろ」とよく言われるけど、そんなことできない。忘れたくても忘れられない怒りと悲しみが恨みだと私は思う。忘れられるなら忘れたいさ。
— Joylin (@Jolyne40536) 2020年2月19日
恨みで苦しんでるひとに「許してやれ」とか「忘れろ」とか、私はとても言えないわ。
度し難いよ、ひとの心は。 https://t.co/rfo74BIEhE
ポルナレフとの比較
エルメェスと同じような立ち位置のキャラとして、3部のポルナレフが挙げられると思います。明るく優しい仲間であり、そして復讐を胸に秘めている…エルメェスとポルナレフはよく似ていますよね。
ふたりの復讐も、やはり共通するところが多いです。
大切なひとのための復讐であること、悲しみと怒りを忘れられなかったこと、返り討ちのリスクを冒してでも自ら手を下すこと、復讐を見届けてくれるひとがいること…。
ポルナレフの復讐論を決定付けるのは、やはりこのセリフでしょう。
我が名はJ.P.ポルナレフ。
我が妹の魂の名誉のために!
我が友アヴドゥルの心の安らぎのために…
エルメェスより「大切なひとのため」という姿勢が前面に出ているように感じます。これは、3部自体が1部から続く"神話"であることにも起因するのかもしれません。人間の聖なる部分が強調されているという感じ。
復讐を思い立った瞬間こそ、「あのひとのため」と思うでしょうが、本当のところは復讐は自分のエゴでしかないです。大切なあのひとの喜びも悲しみも、もう残された側には知ることはできないのだから。完全に自分のためです。
ポルナレフの気高さが表れている復讐にまつわる言葉は、もちろん心打たれるもの。その上で、「復讐は自分の運命にケジメをつけるためにある」というエルメェスのセリフは、より人間くさいエゴもさらけ出して至った答えとして、私にとってすごく共感するものがありました。
エルメェスの復讐に見る悲しみと希望
復讐は正当なものだ、とまでは思っていません。それでも、捕まって刑事罰を受けるとか、重たい罪の意識を一生背負うとか、返り討ち・相討ちで自分も命を落とすとかいった「復讐することで受ける罪」を覚悟しているなら、他人が止めることはできないと私は思うのです。
「復讐なんて」と言う人間が、エルメェスのこの覚悟を前にどんな言葉を言えるというんだろう…といつも考えてしまいます。
復讐という道を選んだひとに私たちができることは、見守り抱きしめ、その行末を見届けるくらいしかないのかもしれない。
逆に自分が復讐を選んだとき、徐倫のように復讐を見届けて抱きしめてくれるひとさえいれば、罪を償ったあとにまた歩き出せるかもしれない。
そういう悲しさと希望を、エルメェスの復讐回から感じました。
こういう人生観や死生観が特に色濃く描かれているエピソードが多いのが6部の醍醐味だと私は思っています。
今回の記事でお話ししたのは、あくまでも私の目から見た私の感じ方にすぎません。ぜひ原作をご覧になって、自分の『ストーンオーシャン』を感じてください。
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to be continued➵